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「また来年、この場所に戻って来る」│妙高のつどい

4 年ぶりの開催となった「高校奨学生のつどい」。

あしなが育英会の奨学金を受ける高校生たちが、地域ごとに一堂に会し、3泊4日の中で「自分自身」や「自分の将来」について考えました。

本記事では、北関東3県(群馬県、茨城県、栃木県)、信越2県(長野県、新潟県)の高校奨学生を対象に、2023年8月22日から8月25日まで国立妙高青少年自然の家(新潟県妙高市)で開催された「妙高のつどい」の様子を紹介します。

 

執筆者:関東エリア担当 秋山このみ

 

妙高のつどいを盛り上げた学生スタッフ。秋の学生募金でも積極的にリーダーを務める。

 

「つどい」で決意新たに

2023年の「妙高のつどい」には、45人の高校生が集まりました。テーマは「志高くWORK HARD 〜開拓せよ!彩あふれる人生へ~」、です。

高校生たちに、“失敗を恐れずに全力で挑戦し、多彩な感情や思いを追求する人生を目指すことを呼びかけたい”、と大学生スタッフが考えました。

 

つどいでは、高校生が約10人ずつの班に分かれ、大学生が班のリーダーとなって高校生をサポートします。カレー作りやウォークラリーなどの野外活動、体や頭を使って班のみんなで取り組むグループワークなど、いわゆるキャンプらしいプログラムのほか、あしなが奨学生ならではのプログラムも用意されています。

 

その一つが、自分の今と未来を考える時間「My Life Story」です。このプログラムでは、大学生リーダーがグループのファシリテーターとなり、参加者それぞれが、自分自身の人生について真剣に考え、そのストーリーを共有します。

 

普段の生活では、周りの同級生や先生、家族などに、親を亡くした体験や、進路の悩み、自分の素直な気持ちや考えを話すことを躊躇ってしまうことも多い、という高校生たち。しかし、似たような経験をもつ仲間たちと、それぞれの体験や想いや考え方をシェアし、自分以外の人のストーリーに触れることで、新しい発見をすることができます。それは、「自分はひとりじゃない」ということ、目の前に支えてくれる仲間がいること、進学を諦める必要がないこと。そして、未来に向かう前向きな気持ちを強めることができるのです。

 

今回は、あしなが奨学金を利用して大学や専門学校などに進学した奨学生の先輩たちと、率直な対話ができる場も設けました。 今年のつどいで参加者の満足度が最も高かったプログラムが、この「My Life Story」でした。

 

参加した高校生たちが、このつどいで決意を新たにし、それぞれの日常へと戻っていくことができたと信じています。

 

 

つどい初日の様子

 

「挑戦することをやめないで」ー議長団の思い

子どもの頃の体験が、生きる力を育むと言われています。

コロナ禍により、2019年以降、3年間もつどいが中止され、高校生たちの体験の場が減っていることに、職員や大学生たちは不安を感じていました。

だからこそ、今回のつどいを通して、高校生たちが生きる力を得て、自分の将来に希望を持つことができるよう、議長団(全体の司会や進行を行うリーダー)を務めてくれた学生たちと一緒に、たくさん考えました。

 

議長団を務めてくれるのは、大学奨学生です。しかし、この3年間、つどいが中止されていたため、3名中2名は「高校奨学生のつどい」を経験したことがありませんでした。「どうやったら高校生の力になれるのか」。何度も議論し、真剣に考えました。そんな議長団のメンバーが、「妙高のつどい」で高校生たちに伝えよう、と決めたキーワードは「挑戦」でした。様々な悩みや葛藤がある中でも、挑戦することはやめないでほしいと訴えました。

 
議長団の一人、星野さんの志は、子どもたちが安心して生活できる学校を作ること。そのために現在は大学で養護教諭になるため勉強しています。つどいの中で彼女は、「より多くのことを学ぶために、来年、あしなが育英会の海外留学研修に挑戦します!」と、高校生の前で宣言しました。

 

先輩遺児として、挑戦する姿を見せてくれました。

 

妙高のつどいを作り上げた議長団と運営隊長。左から星野 鈴さん・木本 渚さん・金打 聖菜さん

参加した高校生と保護者の声

今年、「妙高のつどい」に参加した高校3年生の彩さん。1、2年生の時は、コロナ禍でつどいが実施されず、今年が最初で最後の参加でした。

密度の濃い4日間、初めて出会った班のメンバーとしっかり仲を深め、仲間たちが頑張っている姿に、大きな刺激を受けたようです。つどいでの経験を通して、将来に前向きになり、「来年、大学生になったら、リーダーとして戻ってくる!」と話してくれました。

 

彩さん(高校3年生)

 

最初は、つどいを楽しみにしていた反面、知らない人と過ごす4日間がとても長く憂鬱な時間だと思っていました。しかし、私の予想とは真逆で、とても充実していてあっという間で、家に帰ることが嫌になるほどでした。 同じような境遇で過ごし頑張っている仲間に出会えたこと、抱えていた悩みを共有し共感してもらえたこと、今までとこれからについて考えたこと。これらのことは、気持ちの整理や、「自分はひとりではない」と思えるきっかけになり、受験に向けての大きな活力となりました。このつどいは、とても重要な体験になりました。  

 

キャンプファイヤーで決意表明をする彩さん

 

 

参加した高校生の保護者から届いたメール

 

つどいでの出会いと経験は、力になると思います。貴重な体験をありがとうございました。私も子供の成長にちょっと安心することができました。

 

 

最終日、分かれを惜しむ姿

 

 

つどいを終えて日常に戻った高校生たちは、これから、自分の夢や目標に向かって一歩ずつ進んでいきます。

来年この場所に戻ってくる時、彼らはどんな姿でいるのでしょうか。ひと回り大きく成長した彼らに会えることが、今からとても楽しみです。 

 

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