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「後輩たちのために」4年ぶりの高校奨学生のつどい|大阪のつどい

この夏4年ぶりに実施された「高校奨学生のつどい」。奨学生同士が連帯を深め、仲間たちとともに将来について考えるサマーキャンプが、コロナ禍による中止期間から復活を遂げました。

 

そんな全国8会場で開かれたつどいの中心で活躍したのが、本会大学奨学生を中心に組織される「あしなが学生募金事務局」に所属する学生たちです。

 

本記事では、関西地区の奨学生を対象に、8月18日から21日に大阪府立少年自然の家(大阪府貝塚市)で開催された「大阪のつどい」の様子と、高校奨学生たちのために奮闘した学生たちを紹介します。

 

執筆者:関西エリア担当 島田北斗

 

大阪のつどいで、つどいのテーマソングを大合唱する参加者たち

 


「バスがきたぞー!」。8月18日午後2時10分、高校生を乗せた4台の貸切バスが、会場に到着しました。2日前の16日に会場入りし、リーダー研修や高校生の受入準備をしていた学生スタッフたちにとって、待望の瞬間です。初めてのつどいに緊張している高校生たちを安心させようと、大きく手を振って出迎えていました。

 

大阪のつどいは高校生が148人、学生スタッフや本会職員を含めると総勢198人が参加した大規模会場です。「志高くWork Hard~No Limits! 可能性は無限大」をテーマに掲げて、チームビルディングや大学奨学金等の制度紹介、班ごとに自分のこれまでや今をシェアするプログラム、これからの人生について考えるプログラムなどをおこないました。

 

高校生のバスを出迎える学生スタッフたち

 

つどいで人生を変えられた。今度は私の番だ

「私は高校1年生のときに参加したつどいがきっかけで、大学進学を決めました」と語るのは、大阪のつどいで議長団(全体の司会進行役)を務めた里見さんです。当時商業高校に通い、高校卒業後は就職をしようと考えていた里見さんは、つどいでの大学生との出会いから、諦めかけていた建築士になるという夢が再燃。大学を目指すことを決めたといいます。

 

自分の人生を変えてくれたつどいが、4年ぶりに復活する。自分の後輩である今の高校生たちにも、つどいを通して自らの可能性に気づいてほしい。大学4年生の自分にとってこれが最後のチャンスだと、里見さんはつどいのトップリーダーである議長団に名乗りをあげました。

 

自らのライフストーリーを語る里見さん

 

里見さんはつどい2日目の「My Life Story」という、自らのこれまでと今を振り返るプログラムを担当しました。高校生のときに参加したつどいで、初めて仲間に自らの境遇を話し、「自分は一人じゃないんだ」と気づいた里見さん。高校生たちにも一人じゃないと気づいてほしいと、約150人の高校生を前に、見本の話として自らのライフストーリーを紹介していました。

 

かつてつどいで人生を照らされた里見さん。里見さんの議長団としての姿もまた、誰かの人生を照らしたに違いありません。

 

高校生の力になれた!

つどいでは班で行動します。大学2年生以上の学生が「シニアリーダー」という各班の責任者となり、10人ほどの高校生たちを率いるのです。

シニアリーダーを務めた大学3年生の小塚さんは、今回が初めてのつどい。決して高校生と接することに自信があったわけではありません。むしろシニアリーダーを務めることに不安のほうが大きかったといいます。それでも高校生たちの力になりたいと、つどいに臨みました。

 

自班の高校生と昼食。まだ2日目ということもあり、表情はややかため?(左が小塚さん)

 

小塚さんはつどいの中で、自分の班の高校生一人ひとりと、じっくり話す時間をもちました。小学生の時に父親を亡くし、苦労して現在の大学に進学した小塚さん。自らの進路選択や受験勉強の経験が、高校生たちの参考になればと、積極的に進路相談に乗ったといいます。中には1時間以上をかけて話を聞き、アドバイスをした高校生もいたそうです。

 

つどい後小塚さんは「アンケートに、最も影響を与えてくれたのはシニアリーダーですと書いてくれた高校生がいたんです」と、嬉しそうに話してくれました。「高校生たちの力になれた!」と確かな手応えを感じ、それが自信に繋がった様子でした。

 

つどいを支えることが出来てよかった

つどいには「運営隊」と呼ばれるチームが存在します。会場設営や資料の配布、音響、高校生への参加確認の電話がけなど、つどいに欠かせない裏方業務を担う学生たちです。

運営隊の一人として参加した鷲田さんは、高校生の集合案内や熱中症対策のドリンク配布、参加者交通費の精算サポートなどを担当しました。直接高校生と接する機会は少なかったが、つどいの熱量は肌で感じられたといいます。

 

つどいだからこそ築ける信頼関係がある。つどいだからこそ前を向くことができる高校生たちがいる。そんなつどいを、裏方として支えることが出来てよかったと、笑顔で4日間を振り返りました。

 

手分けして参加者の交通費の精算チェックをする運営隊員たち

 

つどいも募金も、後輩たちのために全力で

大阪のつどいには、約30人のあしなが学生募金事務局員がスタッフとして参加しました。普段「一人でも多くの後輩遺児たちのために」と募金活動に勤しんでいる彼らは、つどいにおいても後輩遺児たちのために、全力を尽くしてくれました。

 

どう接すれば、高校生たちと信頼関係を築けるのか。どんな言葉をかければ、高校生たちの力になれるのか。どんな姿を見せれば、高校生たちのロールモデルになれるのか。高校生たちの前では常に笑顔を振りまいていた学生スタッフたちですが、その裏には数々の苦悩があったのです。彼らは悩みながらも、高校生たちの未来のために、一人ひとりと真剣に向き合っていました。

そんな学生スタッフたちの姿をロールモデルとし、これから大学進学を選ぶ高校奨学生も多くいることと思います。彼らの存在なくして、つどいの復活と成功はありえませんでした。

 

そしてつどいから約3週間がたった9月10日、兵庫県西宮市内の会議室には、学生募金事務局関西エリアの学生たちの姿がありました。そのほとんどは、大阪のつどいで大役を果たした学生たちです。この日は、10月におこなわれる街頭募金に向けてのキックオフミーティングが開かれていました。

 

つどいを終えた今、学生たちの心は一つです。

「つどいを通して、大学進学を志した高校生たちがたくさんいる。そんな高校生たちが大学にいくためには、奨学金が必要だ。つどいで出会った高校生たちのためにも、秋の街頭募金を頑張るぞ!」

 

街頭募金に向けた会議で、つどいでのエピソードを共有しあう学生たち=9月10日、兵庫県西宮市の兵庫県立総合体育館


 

2日目の館内ウォークラリーで、仲を深める参加者たち

 

前関西学院大学学長の村田治本会会長代行(右)も参加し、高校奨学生の進路相談に乗った

 

大学生たちが、進学経験や大学での学びを紹介

 

つどいのクライマックスはキャンプファイヤー。燃え盛る炎と集った仲間たちに、各班の代表高校生がこれからの決意を誓った

 

別れを惜しんで涙がほろり。手には班の仲間からの寄せ書きが

 

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