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ありのままに生きる〜障がい者の自立支援について学ぶ心塾講座〜

あしなが育英会の大学奨学生寮「虹の心塾」(神戸市東灘区)では、2カ月に一度、さまざまな分野の方を招く「心塾講座」を開いています。9月は、障がい者の生活を支援するNPO法人「CIL神戸Beすけっと」(同市長田区)の井奥裕之さん、山﨑真さんに、それぞれの体験や団体の活動について話していただきました。

 

井奥さんは本会の奨学生の父でもあり、以前、この「あしながメディア」の保護者インタビューに登場していただいています。その記事も、ぜひご覧ください。

保護者インタビューまなざし 自分の人生は自分で作る

 

「神戸Beすけっと」は介助者の派遣や日常生活のサポートなど、障がい者の自立生活を支えるさまざまな事業を行っています。障がいを持つ当事者が職員として活動しており、地域での講演活動なども積極的に行っています。

井奥さんは3歳の時の事故で、半身まひの障がいが残りました。普通校に通いましたが、周囲から特別優しくされたり、他の生徒と異なる対応をされたりして、反発を感じることも多かったそうです。しかし、年齢を重ねて信頼できる友人に出会い、周りの人の手助けを素直に受け入れられるようになってきました。

「神戸Beすけっと」で働き始めて、当時の代表から「障がい者は生きてることが仕事だ」と伝えられ、「ありのままでいいんだ」と思えるようになったといいます。

講座では「障がい者は、自分のしたいことを伝えられなかったり、周りに申し訳ないという気持ちを持ったりして、我慢していることが多い。周りから『障がい者だからやらなくていい』と言われ、同世代の人と比べて経験も少ない。障がい者が自らしたいことを見つけ、少しずつ人生を取り戻していくことを大切にしたい」と、障がい者支援への想いを塾生に語りました。

自身の体験を話される井奥様

塾生からの質問にこたえる井奥さん

 

もう一人の講師、山﨑さんは小学1年生の時、交通事故で障がいを負いました。社会人となり、一人暮らしを始めましたが、洗濯や掃除などの家事に多くの時間を取られる生活でした。そこで、ヘルパーに家事の一部を依頼したり、「神戸Beすけっと」の職員のサポートを得たりしながら、自由な時間を確保した山﨑さん。「自分の時間を持つことができるようになり、生活が楽になった」と語り、障がい者の自立生活の現状や課題を伝えてくださいました。

ご自身の体験を話される山﨑様

自身の体験を話す山﨑さん

 

塾生の中には親が障がいを持っている学生もいます。しかし、親以外の障がい者の現状を知る機会がなかったり、障がい者と関わる機会がない学生も多く、今回の講座は塾生にとって大変貴重な機会となりました。

塾生の感想(抜粋)

・理由は違えど、私たちあしながの子どもたちと同様、学びたくても学べないという状況が起きている。勉強する環境はできるだけ平等であってほしいと思います。普段生きる中で疑問、不便に感じること、気づくことが多くありますが、一人一人が日々の生活の中の気づきを大切にしていくことで、幸せに暮らすことのできる社会を作れると考えます。

 

・私の兄は障害者手帳を持っています。自分の家族について自ら話すことはできるだけ避けてきました。カミングアウトすることによって周囲の反応がよそよそしいものに変化してしまうことが面倒だったからです。しかし、障害の当事者や関係者にとっての日常を当たり前のことと捉えてもらうためには、自分自身を肯定して、まず一歩踏み出すことが大切だと学びました。

 

・「生きることが仕事」。この言葉は母親からよく言われていました。父親を亡くしてつらい時、母は決まってこの言葉を言っていました。当時は「何を言っているんだ」と思っていましたが、改めてこの言葉を聞いて本当の意味がわかった気がします。親を失った遺児の一人として、募金活動や遺児家庭の現状等の周知活動にも力を入れていきたいと思いました。

 

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