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3月11日に「こころの居場所」を開催しました

今年もコロナ禍の中で11年目の3月11日を迎えました。仙台、石巻、陸前高田のレインボーハウスは小春日和を思わせる日差しの中、「こころの居場所」を開催しました。三々五々、お墓参りや追悼後、仕事終わりなど各々のペースで来館されました。特別なことはせずいつも通りに過ごし、「ただいま」「おかえり」を交わすような雰囲気がありました。

仙台レインボーハウス

中学生から大学4年生までの子どもや保護者が来館し、おしゃべりや手芸などをして過ごしていました。

あの日(11年前の3月11日)から今日までのことを母親同士でお話ししていました。長かったと感じる人もいれば「忙しかった。今もずっと忙しい。今日のことも忘れていたくらいだった」と話す方もいました。

当時小学生で、津波に流される経験をした男の子は、海の近くの旅館で働きはじめ、この日もいつも通りに出勤をしたと語った父親。大学1年生の女の子は、自分の経験や思いをメディアで発信するようになりました。ファシリテーターになるという夢も、春には叶いそうです。

14時46分、遊びを止めて手を合わせた彼は12日が中学の卒業式。帰り際、拍手での見送りに、はにかんでいました。

 

ビーズを使って制作する様子

 

 

石巻レインボーハウス

石巻の小中学校は今年も「みやぎ鎮魂の日」として休校となり、午前中にお墓参りを済ませた子どもや、仙台に就職した遺児が休みを取って来館しました。

小学5年生の男の子(当時0歳)は来館早々「海ってどっちの方向?今日黙とうするから時間になったら教えてね」と職員に質問。遊んでいてもしきりに時間を気にしていた彼は、14時46分のサイレンに合わせて1分間手を合わせ、静かに黙とうをした。「去年やその前は、黙とうをしていなかったけど今年はどうして、来館してすぐに海の方向を聞いたり、時間を教えてって言ったりしたの?」と聞いてみると、「先生から今日は追悼の日だから黙とうをしない人は休んじゃだめだよって。でも節目だから言われなくてもやろうと思っていた。悲しくなったけど良かった」と答えてくれた。成長と共に「追悼」する姿を感じた場面でした。

 

ボードゲームをする様子

 

 

陸前高田レインボーハウス

普段のプログラムでは別で過ごす子どもと保護者が食堂で一緒に過ごし、近況を共有したり、カードゲームをしたり、ときには笑い声も聞こえ温かな空気に包まれていました。

今回の「こころの居場所」では、まん延防止等特別措置が続いている地域からの参加をご遠慮いただいた世帯が複数ありました。コロナ禍の影響を鑑み、参加を断念した世帯が他にもあったのではないかと想像します。陸前高田レインボーハウスでは、1年を通して3月11日だけ参加する人もいて、再会や互いの歩みを確認する日になっていたので心苦しさが残りました。

 

身長記載版前でこれまでを振り替える保護者とスタッフ

 

 

 

仙台、石巻、陸前高田とも11年の日々を、それぞれのペースで歩みを重ねてきたことを感じる時間になりました。

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