「挑戦する勇気を胸に、新しい人生へ」あしなが心塾・虹の心塾で卒塾式
学生寮「虹の心塾」(神戸市)は2月7日、「あしなが心塾」(東京都日野市)は8日に卒塾式を開き、あわせて16人が社会に巣立ちました。
心塾は、地方出身の遺児や親に障がいがある子どもたちが、首都圏・関西の大学へ通うのを支援するためにあります。朝夕2食付き・寮費1万円で暮らせるだけでなく、寮生同士の交流や独自のカリキュラム、季節ごとの行事などにも力を入れています。
東西の心塾で、経験と成長を重ねた奨学生たちの晴れの日を取材しました。
神戸・虹の心塾
虹の心塾では今年、2人が卒塾を迎えました。それぞれの名前が呼ばれると力強く返事をし、東西の心塾の塾長も務める本会会長の村田治から、卒塾証書を受け取りました。

村田は式辞で、「最後までやり遂げるということは、極めて重要なことです。それぞれの大学での学びや活動、募金、そしてこの心塾を最後までやり遂げたということに対し、心から敬意を表します」と話しました。そして「VUCA(将来の予測が困難な状態のこと)の時代と言われていますが、社会の動きを絶えず自分で考えて、絶えず自分を進化させていってください」と卒塾生を激励しました。

答辞を読んだ鈴木さんは、「コロナ禍で先が見通せない大学生活でも、共に学び合う仲間がいれば、何事にも中途半端だった自分を変えられるかもしれない」と、入塾を決めた日の気持ちを振り返りました。そして、「頼もしい先輩、心優しい同期、新しい気付きをくれる後輩、温かく見守ってくださった心塾の職員の方々のおかげで、充実した日々を過ごすことができました。心塾で学んだ他者を尊重する姿勢と挑戦する勇気を胸に、新しい人生を切り拓いていきます」と感謝と決意を述べました。

東京・あしなが心塾
今年のあしなが心塾の卒塾生は14人。あしなが育英会の役職員や後輩たちの大きな拍手を浴びながら入場し、村田から卒塾証書が授与されました。

送辞を読んだのは渡邊さん。「卒塾生のみなさんが、困ったときにさりげなく声をかけてくださったことや、何も言わずに背中で示してくださった姿は、私たちにとって大きな学びでした」と述べ、さらに「この心塾がただの住まいではなく、『人と共に生きる場所』になっていたのは、卒塾生の皆さんの存在があったからです」と感謝の意を表しました。

卒塾生の山本さんは答辞で、「助け合い、頼り合いながら過ごした4年間は、私のこれまでの人生の中で最も輝かしいものでした」と塾生活を振り返り、「日頃から私たちを支えてくださったあしながさんに深く感謝しています。あしながさんたちの私たちへの期待が、明日を生きることへの励みになりました」と話していました。

この日の東京は雪で、心塾の外は一面の銀世界。式を終えた卒塾生たちは中庭に飛び出し、卒塾を喜び合っていました。

それぞれの道で、実を結ぶ人生を
「これまで深く関わり続けてきた塾生たちが、希望する業界への就職も決め、社会に羽ばたいていくことは感慨深い」と話すのは、虹の心塾の塾頭を務める細見伸広職員。「心塾生活を通して咲かせた花が、実を結ぶような人生を歩んでくれたら」と目を細めていました。
両塾の卒塾生たちの進路は、メーカーやIT、人材、銀行、商社など幅広い業界の企業への就職のほか、小学校教員や保育士として働いたり、大学院へ進学したりとさまざまです。16人の新しい人生が始まります。










