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学習サポーターインタビュー「LSPは自分も成長できる場所」【LSPインタビュー vol.3】

あしなが育英会は 2020 年 10 月より、小中学生対象の学習支援「ラーニングサポートプログラム(LSP)」という取り組みを行っています。LSP では本会奨学生の大学生が中心となり、遺児家庭の小中学生にオンラインで学習指導を主とするサポートをしています。

◇ラーニングサポートプログラム(LSP)の詳細はこちら

 

こんにちは!LSPインターンの吉野です。
今回は日頃よりLSPにLS(ラーニングサポーター)として参加してくれている山内まり亜さんにインタビューを行いました。

 

※LS:LRの学習サポートをしているあしなが育英会奨学生を中心とした大学生
※LR:LSのサポートを受けている遺児家庭・障がい者家庭の小中学生

 

「これを探していた!」と直感し参加を決意

ーーLSPに参加しようと思ったきっかけはなんですか?

私は大学に入ってからずっと、大手の塾でのアルバイトなどではなくあくまでボランティアというかたちで、個別で勉強を教えることで誰かのためになりたいと思っていました。

 

大学1年生の頃に、知り合いの先輩が地域の学習支援のボランティアをやっていると聞いていたこともあり、私も同じようなかたちで自宅からできるものはないかと探していました。しかし、なかなか思うようなものが見つからない状況が続いていました。

 

そんな時、育英会からのメールで紹介された新しいプログラム“LSP”の存在を知りました。「これだ!!これを探していた!」と直感し、すぐに参加を決めました。

ーーセッションで何か特に力を入れていることはしていることはありますか?

1番は計算力強化です。担当しているLRの子は計算が得意ではないので、事前に私が計算問題シートを作って毎週タイムを計って計算するという時間を設けています。

 

実は私も昔計算が苦手だったのですが、計算が速く、正確に出来るようになってからは数学が好きになりました。だから、LRにも計算をまずは好きになってもらいたい、と思い始めました。

 

計算シートの作成は、既にあるものなどを抜粋しているので、それほど負担ではありません。私の一番のモチベーションはLRの一生懸命に解いている姿と飛躍的な成長です。

 

これを始めた当初は7問で10分かかっていた計算も、今では17問を5分と、以前の半分の時間で解けるようになりました。いつもかかった計算の時間をメモしていて、見るたびに成長しているなと感じます。

 

計算時間がどんどん短くなっていることを記録している

 

ーー今までのセッションで一番印象的だったことはなんですか?

実は一度だけ、LRが機械トラブルで普段LSP内で使用しているオンラインツールのzoomに上手く入れない時があったのですが、その時のことは今でもとても印象に残っています。

 

LRの家族が総出でセッションができるように頑張って下さっていたのですが、私としては、家族がサポートして下さったことと、LRがそれだけ真摯にセッションに向き合ってくれていることがうれしかったんです。だから、私も何とかして実施するべくありとあらゆる方法を考えました。

 

結果的に、1時間分のセッションうち30分経ってしまっていましたが、何とか別の方法でセッションを実施しました。今思えば、振替という選択肢もあったのですが、あの時はお互い必死でしたね(笑)。でも、それだけお互いLSPにかける思いが強いということを感じた日でもありました。

 

ーー半年以上一緒にセッションをしていく中で何かLRに変化はありましたか?

まずは、とにかく計算のスピードが上がったことです。2人で頑張っている計算特訓の成果が目に見えるかたちで出ているのをとても感じます。

 

加えて、あしながのスタッフを通し、LSPを始めてから勉強机に向かう時間が増えたと聞きました。週に1回1時間というセッションの時間しか私はLRの様子を見ていないので、その中での変化しか分からなかったのですが、LRの生活にそんな変化があったというのはとてもうれしい報告でした。

LSPは“ギブ・アンド・テイク”

ーー LSP の活動を通してなにか山内さんが得られたものはありますか?

自分には見えないハードルが相手にはあったり、逆に相手には見えないハードルが自分にはあったりすることを気づかされました。

 

私は、以前、できないことがあると自分のことを卑下してしまうことが多かったんです。でも、誰にでもできないことがあることを知り、できない自分も認められるようになりました。

 

だから今は、人に勉強を教えるのが得意な知り合いを頼りながら、わかりやすい説明をするためにノートを作ることで、人に勉強を教えるのが苦手というハードルを越えるようにしています。

 

また、人によってハードルが違うことを知ってからは、前よりもおおらかな気持ちで人と向き合えるようにもなったなと思います。私の周りの人から「LSPを始めてから大人になったね」と言われてます。セッションを始めたころはわかりませんでしたが、今は、LSPは 私自身も成長できる場所で、 “give and take” だと気づきましたね(笑)。

 

ーーセッションも折り返しを迎えていますが、今後LRとやってみたいことはありますか?

勉強は土台が大事なので今は土台作りメインに取り組んでいますが、来年は受験もあるとすれば、焦らないように今のうちから何とかしてあげたいなと思っています。計算特訓でのスピードアップは確実に力をつけているので、もう少し全体の問題を解くスピードも上げていきたいです。

 

今自分にできることは、全部やってあげたいという思いです。だから、本音としてはもっと時間が欲しいですね(笑)

 

はじめの第一歩を踏み出して

ーーLSPに参加する小・中学生に伝えたいことはありますか?

“苦手だからやめる、嫌いだからやめるというのはもったいないから、逃げないでほしい”ということです。私にも苦手なことや嫌いなことはいっぱいあります。でも続けていればどこでなにがつながるかはわかりません。だから何事もチャレンジし、後悔しないでほしいです。

 

実は、私も今通っている大学が第一志望だったわけではないのです。でも、受験後に母に言われた“おかれた場所で咲きなさい”という言葉は本当にその通りだなと感じ、今ある環境を大事に過ごしています。

 

何かに立ち向かうことはとても厳しくて、逃げてしまうことは簡単です。もちろん逃げ出ることすべてがいけないことではないし、逃げなければならない時もあります。でも、勉強からは逃げないほうがいいです。1ページだけでもいいからやってみる、10秒でいいから机に向かってみる、などでいいからとにかく手を付けてみて下さい。

 

私が昔の学校の先生が、「何かを成し遂げるには、はじめの第一歩が全体の半分で、残りの半分は続けること」だと教えてくれました。だから、その第一歩を踏み出してほしいです。

ーーこれから LSP に LS として関わりたいと思っている、迷っている人たちにメッセージをお願いします!

私はLSとして参加したはじめのころは、「こんな私が人に勉強を教えて良いのか?ただの自己満足なだけじゃないのか?」と思っていました。

 

しかし、あしながのスタッフや、私の友人、そしてLSPに参加する他のLSの方と話し、自分でも試行錯誤していくうちに、少しずつ自信がついてきて、「なんか大丈夫かも」と思えるようになりました。成功体験はたくさん積めば、人間自信につながっていきます。だから、そんな成功体験がたくさん積めるLSPには、今まだ自信がなくてもぜひ一度参加してみてほしいです。

 

LSPはひとりじゃないです。セッションをするときの空間は1人かもしれませんが、頼れる大人や同じ悩みを持っている人など、いろんな人とのつながりがあるのできっと大丈夫です!

 

編集後記

山内さんが LSP にかける熱い思いや、少しでもLRのためにとたくさんの独自の工夫をしていることがわかりました。私自身、困難に立ち向かおうとするよりも逃げてしまった方が楽だなと思ってしまうことが多いので、山内さんの最後の熱いメッセージは響きました。とても貴重な時間となりました。

 

LSP では、現在 LS 募集中です。
LSP(ラーニングサポートプログラム)の詳細はこのページへ。
山内さんのお話を読んで、少しでも気になった方はぜひ詳細を見てみてください

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