コロナ禍で中止になった海外研修に代わる「国際交流プログラム」

活動レポート 2021.07.01

「海外研修」の中止

あしなが育英会には大学（4年制・短大）、高専、専門学校、大学院に通う奨学生が1年間海外で語学留学、インターン、ボランティアなどの活動に参加する海外留学研修制度があります。1995年に制度がスタートして以来、約400人の学生を継続して海外に派遣してきましたが、新型コロナウイルスの影響で2020年度と2021年度の派遣は完全中止となりました。

海外研修について詳しくはこちら

「国際交流プログラム」が新たに始動

あしなが育英会リーダー育成課は派遣がかなわなかった両年度の海外留学研修生に国際交流の機会を提供するために、インターネットを利用してオンラインの国際交流プログラムを実施しています。

このプログラムは5月1日から8月末までの4か月間、参加を申し込んだ15名の研修生と国際ボランティアが、1対1の会話セッションや国際交流イベントにオンラインで参加するものです。

プログラム開始に先駆け3月と4月の2か月間、このプログラムへの参加を希望する国際ボラティアを募集したところ、北米、ヨーロッパ、オセアニア、東南アジア、東アジアから、1対1の会話を担当するカンバセーションパートナー（CP）に37名、月1回研修生とCPがオンラインで参加できる国際交流イベントを担当するイベントプランナー(EP) に13名の応募がありました。

応募者の多くは、過去にあしなが育英会のインターンや日本の小・中・高校で英語の教員アシスタントを経験した人たち、日本での語学留学を予定していたがコロナ禍で渡航が中止なった人たちでした。

プログラムは好調にスタート

プログラム開始からすでに2カ月がたち、研修生とCPは週1～2回のペースでオンラインの会話セッションを行い、日本語と英語を織り交ぜながら互いの国の文化、宗教、政治、社会問題からアニメ、アイドル、グルメまで様々な話題について話し合っています。

また、EPはこれまで2回の国際交流イベントを行い、研修生とCPが楽しく参加できる様々なプログラムやゲームを提供してくれました。

参加中の研修生、CP、EPからリーダー育成課に「楽しい時間が過ごせている」、「異文化について学べている」、「今までにない気付きがあった」、「参加してよかった」などの声が多く寄せられています。

参加学生のコメント

実際に海外研修に参加する予定だったあしなが奨学生を代表して、「国際交流プログラム」に関するコメントを紹介します。

私のCP ロバートさん（Robert Larcher）との会話セッションの感想を共有します。

私たちは毎週1時間テーマを決めてお話しています。今までに話したテーマで特に印象に残っているのは、好きな音楽についてと、行ってみたい国についてです。

音楽について話したときは私の好きな歌の発音の練習をしたり、ロバートさんの好きな音ゲーについての話をしたりしました。行ってみたい国について私が千と千尋の舞台となった台湾の九份のことを話したとき、ロバートさんがピアノで千と千尋の曲を演奏してくれて感動しました！

私は大学でドイツ語を学んでいるので、ドイツ語圏のオーストリアに住むロバートさんから、オーストリアについて教えてもらっています。今後のセッションでもロバートさんの住むウィーンについて教えてもらう予定なのでとても楽しみにしています。

私は英語を話す前に、これから話すことがちゃんと伝わるか、正しいか考え込んでしまうときが多いです。しかしロバートさんはいつも私が考えるのを待ってくれたり、言おうとしていることをくみ取って手助けしてくれたりします。そのおかげで安心して話せます。

今までは失敗を恐れてなかなか話すことができなかったのですが、これからはもっともっとたくさん話して、たくさん失敗して学んで、上手に話せるようになりたいと思っています。

Danke schön! Tschüss: (ドイツ語です。)